レモネのきみ

きみ(IF)の話を延々とする、全部嘘

そうだよ、時が経てばすべてきみの思い通りになるよ

そういうところが嫌いなんだよ、そういうところが嫌だったんだよ。そういうところに呆れていたの。そういうところが嫌いなんだ。

 

大きな声でぶつけた言葉は、悲鳴らしく上ずって半分べそをかいているみたいに聞こえた。ぼくはそうやって泣くきみを見ていた。見ていることしかできなかった。きみは触れたら弾けそうなくらい張り詰めていた。きみが自分をコントロールしようとしていたことは染みるほどわかっていたけれど、それは十分ではなかった。

 

ぼくを呼ぶきみに応える。ぼくの名を呼ぶきみはほとんど半狂乱で、眠る直前、きみの額に手を当てているときだけ、きみは静かにぼくの掌を感じていた。

 

答えがほしいんだってね。ぼくがなんでもきみにあげられればよかったのに。きみは答えを探して左手首に穴を開けようとしたけれど、そこに答えなんかなかった。きみだって、本当に中身を見ようだなんて勇気は持ち合わせていなかった。

 

昨日買った甘いパンを食べなよ。牛乳もあるよ。薬を飲めたね、えらいね。何も考えなくていいよ。小さくテレビの音を流そうか。シャワーを浴びたい? 手伝おうか? タオルはここに置いたからね。冷房を消してから眠るんだよ。手を握っているから、大丈夫だからね。……このハンカチで顔を押さえて。さあ、きみの眠りはぼくが保証するよ。きみはもう悪夢なんか見ないんだ。どこにも行かない、朝起きたらぼくがいるから、安心して眠っていいんだ。髪を伸ばしたいんでしょう。伸びるよ、そうだよ、時が経てば、すべてきみの思い通りになるよ。