レモネのきみ

きみ(IF)の話を延々とする、全部嘘

ぼくは再起動されなければならない

一年前と同じだ。一年前の今頃も、熱が下がらなくて苦しんだ。雨が降っているからなのか、ぼくの体の歯車が狂ってしまったからなのかはわからない。

 

きみもまだ調子が悪いみたいで、突発的な言葉をかける以外眠っている。きみの体だって、シャツ越しで十分わかるくらい熱をもっていて、ぼくはぼくのせいですまないと思う。

 

きみと夜の空に駆け出すだけの体力を残しておかなければいけないのに、ちょっと部屋を歩き回っただけでこのざまだ。氷枕は気持ちいいけど、体を起こすと皮膚はすぐに熱さを取り戻してしまう。

 

いいや、ぼくは自分の体をコントロールできるはずだ。深く呼吸をして、冷たい水を飲んで、熱を放出しなければならない。きちんと食事をとり、最低限の運動をする。ぼくはやらなければならない。このまま伏せっているわけにはいかない。ぼくは再起動されなければならない。生活を送らなければならないんだ。そのためにはストレスを抱えていてはいけない。冷静に、落ち着いて、きっと苦しくなくなる日が来ると信じなければならない。