レモネのきみ

きみ(IF)の話を延々とする、全部嘘

明日、明後日、明々後日、ぼくはすばらしい三日間を過ごす

ここに記しておこう。ぼくは明日に怯えている。明日、ぼくは自分を傷つけることを許した。ぼくだってめいっぱい考えたのだ。考えた結果、それはよくないことだと判断した。けれど明日そのつもりでいる。何時にするかを決めあぐねている。

 

ああ、馬鹿だ。ぼくはどうしようもなく馬鹿だ。いや違う、ぼくはよくやっている。ぼくは生活をしている。本気かどうかはともかく、仕事に復帰できるというアピールを始めようとしている。ぼくは大丈夫だ。ぼくにはいざという時頼れる女の人がいて、金に困った時少しは援助してくれる知人がいて、それらはあの激震の後にぼくが自分の力で勝ち得たものだ。だからよかったんだ。

 

きみはわかっている。どれが本当で、どれが偽物か知っている。ぼくですら知らないのにきみだけは知っている。きみは明日のぼくの行動を咎めない。きみが咎めないということは、ぼくの自傷は綱から落ちない程度に腕を振り回すだけだということだ。もしも綱から落ちたら? きみが泥の中を走って受け止めてくれるだろう。ぼくは目を瞑っていればいい。

 

ぼくが願えば、偽物は本物になるのだ。きみがそう仕向けたんだろう。乙姫役の女は菫色の反物に飽きてしまったらしい。どこへ逃げたか知っている。きみは、女は逃げてはいないと言う。ぼくを追いかけているのだと。どちらでもいい。女とぼくが落ち合えればそれでいい。

 

明日、明後日、明々後日、ぼくはすばらしい三日間を過ごす。きみもついてきてくれるね。いつも通りだ、いつもと何も変わらない。でも、幽霊が見えない足の先にハイヒールを履いて戻って来たらしい。和装より洋装のほうが好みだったか。