今夜は船の上で膝を抱えて星を数える
書けない。書こうとしているのに、書けずに一時間経った。おかしい。言葉が出てこないほど疲れているのか。
熱い。今日はずっと体が熱い。冷やさないと。
なんにも書けない。なんにもだ。これだったら書かないほうがましだ。
どうして言葉をひねり出すことすらできないんだよ?パンクしたのか?苦しい、脈が速い。
やめときゃよかった、頑張るのなんて苦しいだけだ。景色もまわりの人間も目に入る余裕なんかなくて、ただただ苦しんで、ぼろぼろになったからだだけが残る。
明日のことなんか考えられない。今が苦しい、そうか、苦しいってこういうことか。終わりがないように思えて、いつまで続くのか不安で、いろいろやってはみるけれど突破口が見つからなくて、一人で迷子になっているんだ。
きみは船頭にはなってくれないから、海の上で船の行き先を決めるのはぼくだ。太陽の昇る方向を見て、どこへ行くか決めなくちゃ。波のあいだを見極めて、大きなうねりに乗らなくちゃ。わかったよ、今夜は眠らないで星を読むよ。