レモネのきみ

きみ(IF)の話を延々とする、全部嘘

集中力のねじをキリキリと巻き上げてくれる

記憶ってなんて当てにならないんだろう。忘れたいことはいつまでも頭にこびりついて、思い出したいことにはちっとも手が届かない。久しぶりなんだ、こうやって何か書こうと思えるのは。一年以上前に書いたはずの短編小説、その続きが書きたいのに、データが見つからない。主人公の名前だって思い出せない。

 

フォルダの中をクリックし続ける手を休めて、彼女たちをみる。美しくて、強くて、正しい姿をみる。心地いい。集中力のねじをキリキリと巻き上げてくれる。ぼくにはそれができる。

 

みぞおちに不快感がある。頭も痛い。パソコンを閉じた。ぼくは眠る準備を粛々と進めた。きみが彼女たちがしていたのと同じブレスレットをしていた。それを見て、ぼくは目を閉じた。