レモネのきみ

きみ(IF)の話を延々とする、全部嘘

お母さん

きみがぼくを産みなおしてくれたらいいのに

決して心地良いとは言えない午睡から目覚めると、とうに綿の固くなったぬいぐるみはぼくの両腕の中にきちんと収まっていた。夕方だ。こんなことなら孕んでいたほうがましだったと、股の間から染み出す血がシーツを汚していくのを見る。 唯一好きな番組が終わ…

本当のおかあさんはどこにもいない

私は年上の女性に好かれる。自分で言うのも何だが、女っ気も男っ気もなく、害を及ぼさない純朴少年らしいところが、彼女らの警戒心を解くのだろう。私も彼女らが好きだ。大学の助教授、公園で知り合ったバツイチ、接骨院のバイト、エトセトラ。 彼女らとの食…