レモネのきみ

きみ(IF)の話を延々とする、全部嘘

人生どうでもいい

人生を自分のために使えないなんてクソだ。

自分の好きなことが見つからないなんて嘘だ。

 

ぼくは王だ。ぼくは、ぼくがかしずくべき唯一の王だ。

 

そうだときみが言う。あなたは王だと。そうだそうだと囃し立てる。

 

人生を自分のために使えないなんてクソだ。

自分を愛せないなんて間違っている。頭ではわかっている。きみもわかっているし、ぼくに惜しみない愛情をくれようとする。それはわかっている。でも、ぼく自身が、ぼくの時間をぼくのために使うことに恐怖を覚えているのだ。

 

それは全部自分の責任だと言われているようで、失敗したら取り返しのつかない地獄が待っているかのように思われて、ぼくは勇気も気力も削がれたままベッドに横たわっている。シーツにはじんわりと温かい染みが広がる。きみはそんなぼくに調和しようと躍起になっている。

 

なにかしようよ、料理でも、家事でも、読書でも、なんでもいいんだ。きみはそう言うけれど、ぼくはまだなんの勇気も自分の中に見いだせないまま、惰性で生きている。生きているだけのぼくに、本当に価値なんてないんだ。呼吸をしているだけだ。

 

きみはそんなことない、できていることから目を背けるなとぼくに言う。ぼくは目をつむったまま、空になったペットボトルの数を数えている。今日も何も変わらなかった。