レモネのきみ

きみ(IF)の話を延々とする、全部嘘

これはチャンスだときみは言った

月曜日だった。これはチャンスだときみは言った。嬉しそうに、悲痛な声でそう言った。

 

きみはぼくの背中を押した。ぼくは自由になることを決めた。パートナーからの解放だった。

 

自由はみじめだけれど鮮やかで、世界がくるくる回っているみたいだ。きみはただぼくの幸せを願ってくれていた。ぼくの世界が狭くなることは望まなかった。ぼくの世界が色とりどりで、のびのびとして、空気をたくさん吸えるような、そういう手助けをしてくれた。今までも、これからも、きみはそうするはずだ。

 

だけど、きみがどんなにぼくに寄り添ってくれても、いいや、寄り添ってくれるからこそ、ぼくはたくさんたくさん泣いている。少し痛い。いいや、ずっとずっと痛い。それを見て、きみはさらにぼくを気遣おうとする。そしてまたぼくは泣く。自由を噛みしめて、きみと二人ぼっちであることを握りしめて、めいっぱい泣いている。