不満、涙をとめられない
生きがいなんかなくていいよ、って言ってよ。
どうして言ってくれないの。
ぼくを幸せにするなんて約束しなくていいよ。
本当はしてほしいけど、無理しないでよ。
ああ、ちがうな。
全部違うな、やっぱりきみには一緒にいてもらわないと困るんだ、そうやってきみが黙ってぼくを見ているだけで、ぼくは電車の中でないてしまうんだよ、おかしいと思わない?
ぼくはおかしいと思う。
でもだからってきみがいなくなったらぼくは狂ってしまう。そうやってぼくを見るのをやめてよ。
実際にやってみせてよ、ぼくを幸せなところまで連れていってくれたらいいじゃないか、どうしてそれをやってくれないの。ぼくを見るのをやめてよ。
ぼくから目を背けないでよ。ぼくを離さないって言ったくせに、全部ぼくの力だなんて顔するのをやめてよ。ぼくが動けているのはきみのせいなのに、頑張ったんだね、なんてほめるのをやめてよ。
わかってる、なんて言ってわからないくせに。実はぼくの力だなんて言うのはやめてよ。ぼくたちは違うんだ、絶対一緒になんてならない、そう約束してよ。
こんな不安にさせて、ああ、ぼくが言葉を吐き出すのを待ってるなんて卑怯だ。最終的にはぼくがきみに泣きつくって知ってるんだろ。そうだよ、もういいよ、ぼくはきみだけは手放せないんだ、きみばっかり待っている。待たせているのはぼくだって言いたいんだろ。
これはべつに病気なんかじゃないんだ、ぼくときみの問題だ。ぼくはもっときみに決めてほしいのかもしれない。きみに、成り代わってもらいたいのかもしれない。ぼくという身体をきみにあげたいんだ。だってもうぼくにはコントロールするのが大変なんだもの。でも、ぼくのいない身体をきみは喜ばないんだろ。それくらいぼくにもわかる。
抱きしめるのをやめてよ。ぼくをつらい気持ちにさせて、まだ足りないのか。
ぼくを大切にしてくれることがしんどいんだ、でもそれがなかったらぼくは死んでしまうんだ、おかしいと思わない?
きみと一緒にいるとぼくは泣いてばかりだよ。でもべつに幸せじゃないわけじゃないんだ、それはきみだってわかってて、ぼくを一人にしないんだろ。